こんにちわ。旬が過ぎてから公開するのが僕のスタイルです。はい。筆不精の言い訳もバリエーション豊富になってまいりました。

永久保存版 絵本の名作100リスト!「Casa」の絵本特集を買ったら予想以上だったのをリスト付きで紹介

同僚兼狩り仲間の941さんの命令でオススメの絵本を紹介することにしました。いや絵本ってホント面白いですね。ちょっと泣いちゃうものから、狂気の体現でしかないものまで、奥深いです。



ちょっとだけ (こどものとも絵本)
瀧村 有子
福音館書店
2007-11-15

嫁ダイエット芸人の大御所を想像した人は心が病んでいるので、この本を読んでください。
二番目の子が妊娠中、もしくは産まれた直後の親が読むと涙腺ヤバイことになる。子供に読み聞かせるっていうか、ついつい上の子の扱いが疎かになりがちな、微妙な時期の親御さんに読んでもらいたい絵本。

主人公のなっちゃんが一生懸命背伸びしてお姉ちゃんになろうとする物語なんですが、まあ健気なことよ。
下の子が生まれてからのなっちゃんは、毎日いろんな事を「ちょっとだけ」がんばります。
  • 赤ちゃんを寝かしつけるママを見て「ちょっとだけ」一人遊びをします。
  • いつも押してもらってたブランコを一生懸命自分でこいで「ちょっとだけ」動かします。
  • コップに入れてもらってた牛乳を自分でついで「ちょっとだけ」こぼしちゃいます。
  • 可愛く結ってもらっていたおさげを自分でやって「ちょっとだけ」ズレます。
  • 眠くなってママに抱っこしてもらいたいけど、「ちょっとだけ」・・・?
最後の「ちょっとだけ」を読んだ親御さんは、多分上の子に駆け寄っちゃうと思います。
上の子ががんばらなきゃいけない色々と、親御さんが気付いてあげてほしい色々が、ギュッと詰まった一冊です。一番のオススメ。



くものこくーとそらのなかまたち
さとう めぐみ
教育画劇
2009-07

普通にかわいい。
雲の子「くー」が風の子「ふー」と出会って空を旅する物語。「雲がいろんな形に見えるね」ってベッタベタな親子コミュニケーションにトライしたことある人はわかるはず。あれは鉄板。動物だったり、乗り物だったり、ごちそうだったりするアレ。無条件に子供は楽しい。

ちなみに、「くー」が浮かぶ空の下には、一人の郵便屋さんがいます。「くー」が遊ぶその下で、毎ページ違うアクションをしていて、大人が読んでもちょっとおもしろい。本の下の方に注目してみてください。



色々と狂ってます。
「しばらくすると、中からおおきな やきたての パンが でてきました。」
※舞台:線路、トンネル

でっかいコッペパンに乗って線路を進む。列車にぶつかりそうになったら飛び上がって雲の上へ。空にはパンの国がありました。

dora

うん。おかしい。その後もパンで出来た巨人に飲み込まれたり、脱出するのに巨人の体(パンだしね)を食って脱出したり、その巨人も痛くて号泣したりと(だったらパンじゃダメだろお前の体)、子供にどういう話なのか説明するのがしんどい作品です。でも、読ませるとキャッキャ言うので、意外とこういうカオスな作品の方が子供目線なのかもしれませんね。子供は文句なしに楽しめる一冊。カブトボーグに納得いかない大人は読むな。



imouto
いっぱいいもうと
ネジメショーイチ文/ロッカクアヤコ絵

現代美術家ロッカクアヤコさんの挿絵がキュートでクレイジー。サイケ・オン・ザ・サイケデリック。これまたクレイジーなストーリーと融け合って、非日常の恐怖を味わえます。

原作はねじめ正一さんの詩集より。

そう。何の遠慮もない乱痴気騒ぎが絵本の中で繰り広げられます。
主人公の女の子は、妹を欲しがって近くの公園に妹候補を募りに行くのですが、集まった10人以上の「いもうと」が恐ろしい。

「おやつは!おなかすいた!」
「もうないの!たりないもっともっと!」
「たべたいたべたいたべたい!!」
床板を剥がし、「バリバリバリバリ(咀嚼音)」
天井を剥がし、「ガゴガゴガゴガゴ(咀嚼音)」
壁板を剥がし、「めりめりめりめり(咀嚼音」)


膨れ上がったいもうとの群れに家が破壊される・・・!

というストーリー。妹萌えとかなんだったんですかね。さすがの娘も引いてしまい、以来殆ど読まなくなったという怪作。たまにパパが読みます。



きれいなはこ (あーんあんの絵本 4)
せな けいこ
福音館書店
1984-01-01

非常にベタではあるのですが、かの有名な鬱絵本「ねないこだれだ」のシリーズです。
とても短い絵本ですが、各ページから醸しだされる禍々しいオーラは、子供に消えない傷を刻みつけること間違いないでしょう。大人も夜一人で読んでるとうっすら背筋が寒くなります。

「じゃ読ませんなよ」という声も勿論あるんですが、僕は読ませちゃいますね。バンバン怖がらせます。それこそ「いじわるしちゃうと爪が伸びちゃうよ?」とかいってトラウマつつきます。

よく、スマートフォンアプリの鬼から電話を否定的に捉える人いますが、良くないなあと思いますね。
「子供を恐怖でコントロールするな」という主張のようですが、僕には的外れに聞こえますね。
これからの子供の人生、恐怖を感じずに生きていくことはできますかね?そして恐怖と向き合うべきなのは何歳からなんでしょう?誰にもわからないですよね?
僕は産まれた瞬間から「怖いもの」ってのはすぐ側に居るものだと思いますよ。親は必死でそういうものから子供を遠ざけようとしますが、逃げ切れるもんじゃありません。
特に、対人関係や倫理観等は、親が考えるよりももっと低い年齢から形成されていきます。「これをやったら悪いことが起きるよ」ってのは、子供にトレードオフの構造や、転じてペイフォワードの構造を教えるのに最もシンプルな常套句ですよね。むしろそういうものを親から教えてもらえない子供って、誰に教わるんでしょうね?

子を持つ年齢の大人にだって上手に説明出来ないことを、こういう絵本はわかりやすく子供に伝えてくれます。絵本のように語る言葉が少ないからこそ、子供は本質を見抜きます。この絵本を読んで泣く子は、きっと正しい人間関係を築ける筈です。件のアプリも然り。

もちろん、寝かしつけんのが面倒だからって気持ちで使うのはNGな。そういうのも子供は見抜くから。舐められまっせ。



割りと強く印象に残ってる絵本って少ないですね。家にはこの30倍は絵本ありますけどね。
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